PROGRAM NOTE

「Kleissis Chaos」

 

終われない慟哭のtragedy 奪われた希望
螺旋に舞う白い羽は 終末の祈り
目覚めない混沌の中で 探し続けてる
光出(い)づる唯(ただ)一つの 真実の世界
全てを(さあ)壊して Kleissis

 

静かな絶望で(支配する)
いつから心の声を殺すように生きて
ありふれてしまえたら(やり過ごせたら)
こんなに痛みを知ることもないのに

 

純粋な願いほど 歪(いびつ)ねirony(悲し きirony)
断ち切れない鎖さえ 既に意味なんかな いくせに

 

終われない慟哭のtragedy 奪われた希望
螺旋に舞う白い羽は 終末の祈り
目覚めない混沌の中で 探し続けてる
光出づる唯一つの 真実の世界 全てを(さあ)壊して Kleissis

 

ここじゃないその場所が(幻想でも)
いつかは優しい朝に救い出してくれる
今はまだエトランゼ(名前もない)
誰もが誰かの愛を待ってるね

 

邂逅が答えだと 言ってよirony(泣きたい irony)
選択の先にある 未来で何度でもやり直 そう

 

終わりたい饒舌なtragedy 虚しさの果てに
握りしめた黒い羽は 決別の証
目覚めたい混沌を抜けて 走り続けよう
カタチのない目映さへと 誓いを歌って
全ては(今)この手に Kleissis

 

絶望に口づけを(ひと雫の涙はあたたかい sympathy)
誘(いざな)いのharmony
響かせたい(歌うeschatology)

 

終わりたい饒舌なtragedy 虚しさの果てに
握りしめた黒い羽は 決別の証
目覚めたい混沌を抜けて 走り続けよう
カタチのない目映さへと 誓いを歌って
全ては(今)この手に Kleissis (さあ)Kleissis

 

● 解説 ●
旧約聖書『創世記』において、神は堕落した地上の人々に怒り、40日40夜にわたる大洪水を起こした――
所謂『ノアの箱舟』として有名な説話ですが、私たちKleissisの楽曲も、「混沌」「破壊」からの幕開けとなります。ようこそ、終末の世界へ。
1stシングル《Kleissis Chaos》。何より印象的なのは、純白の衣装に身を包んだ「7人の女神」の姿からは想像できない、荒廃した世界を歌った歌詞でしょう。「終われない慟哭のtragedy(悲劇)、奪われた希望」…最初の楽曲にして、あまりにも退廃的な世界観。歌詞を改めて見ると、散りばめられた暗澹たる言葉たちに驚きます。
そんな歌詞を乗せるのは、本格的ロックチューン。Kleissis楽曲の代名詞となりつつある「強い」、その大きな要素のひとつです。絶妙にピースを嵌めてくるニクいギターリフ、効果的に入る鍵盤アレンジ等、心くすぐられる要素満載です。(個人的に、「今はまだエトランゼ」後ろの疾走感あるギターが、とにかく、格好良い。Instrumentalバージョンも是非聴いてみてください。)
言葉と音楽の嵐は、聴衆の心を打ち抜くにとどまらず、破壊するが如し。みなさんを熱気と興奮のカオス状態へ誘う、それが《Kleissis Chaos》。
そして最後――グレゴリオ聖歌を思わせるハーモニー、Libera me (我を解き放ちたまえ)というレクイエムから引用された歌詞。混沌たる世界を鎮めるように、女神たちは祈ります。
こうして、私たちKleissisは、「終末」からはじまったのです。